久しぶりにブログを書くオノケンです。
妻がブログに書いていた講習に行ってきました。
テキストによると、「新築か中古を選ぶ時に中古を選択しなかった理由」のうち、上位二つは「新築のほうが気持ち良いから」と「リフォーム費用などで割高になるから」ですが、それについで、「隠れた不具合や、耐震性、断熱性、設備の老朽化等等に対する不安」が大きな理由になっています。
そのような不安を取り除き、中古住宅市場の活性化をはかるための方法の一つがホームインスペクション(住宅診断)です。そして、そのうち講習を終了した建築士が行う中古住宅調査を「現物状況調査」と呼びます。
昨年6月に宅建業法の一部が改正され、建物状況調査者をあっせんするかどうかを媒介契約書に記載し、(調査した場合)調査結果を買主に説明することが義務付けられました。(施行は来年の4月1日)
これによって、インスペクションのサービス利用が促進されれば、調査者が大量に必要になります。それに対応しようというのが建築士による「現物状況調査」なのだと思います。(インスペクション自体が義務付けられているわけではないので、どれほど需要が生まれるかは今後の動向次第かと思います。)
と、前置きが長くなりましたが、今回の講習を終えて感じたことを。
既存建物調査においては調査範囲や調査方法、報告書の書き方などがかなり細かく規定されており、一定の調査品質が保証されるように考えられている、と感じました。
逆にその分、調査内容と調査者の責任範囲はかなり限定された最低限のもののようにも感じました。
ガイドラインでも、最も基礎的な一次的なインスペクションという位置づけで、あくまで補修工事の必要性等をざっくり把握するためのものなのだと思います。また、そういう認識を依頼者と共有しておくことが大切だと思いました。(無理せず確認できる範囲の目視等による調査が中心なので、全てを確認はできるわけではないです。トラブルを事前に防ぐための調査でトラブったのでは笑えないですね。)
また、実際に調査に当たる際には、依頼者(所有者・購入希望者・購入者を想定)の希望と建物の現況に合わせて、ここではオプション扱いとなっている、設備の老朽化や更新の必要性、耐震診断による補強の要否、省エネ対応や建築基準法等各種規制による今後の増築や建て替え可能性の確認、等トータルで判断できる材料を提供することが必要になってくるように思います。(設計の仕事でも、構造や断熱、その他基本的性能のことを考えると建て替えたほうが安かった、というパターンも多いので、事前にその辺の性能と希望との間にどの程度ギャップがあるかは把握しておいた方が良いかと思います。)
今回の講習で学んだことは
・コパンのお客さんに対する中古物件の不安を取り除く「既存物件調査者」としての業務。(他の不動産屋さんからの委託を受けるかどうかは未定。)
・オノケンのお客さんに対する「設計者」として事前調査業務の精度向上。
の二点で活かせるんじゃないかな、と思います。
調査道具をいくつか買わないとなー。
[…] 宅建業法で位置付けられている「既存住宅状況調査」を行うことも出来ますが、この調査は状況をざっくり確認し、それを客観的な物件情報の一つとすることには意味があっても、それ […]